Archives of the Work Projects Administration and Predecessors, 1933-1943
フランクリン・ルーズベルト大統領が推進したニューディール政策の中でも、公共事業促進局(Works Progress Administration、後にWork Projects Administration、WPA)は最大規模の失業救済事業を統括した機関として知られています。主として非熟練労働者を救済対象として進められた事業は、高速道路、市庁舎、ダム、橋、図書館、空港、工場等の公共施設を建設するために数百万人にのぼる人々に雇用を提供しましたが、その失業救済事業は芸術文化の領域にもおよびました。
以下の2コレクションがあり、それぞれ分売可能です:
州プログラム最終報告書集成
Final Reports of the State Program, 1943
本コレクションは州の最終報告書を収録します。収録文書は、41州(この時点では州ではなかったハワイ、アラスカの2州と、最終報告書が紛失したカリフォルニア、フロリダ、ミシシッピ、ネバダ、ニューメキシコ、ロードアイランド、ウィスコンシンの7州を除く)とコロンビア特別区の最終報告書(42点)と一般ファイル(General File)の他、最終報告書が紛失した7州とヴァージン諸島に関しては新聞切り抜き記事等を集めたファイル(8点)が収録されています。
報告書は州の事業の成果を記録し、将来世代への教訓を提供するために作成されました。各州が実施した事業活動の全容、事業を進める際に立ちはだかった障害、各事業に関わる行政、財政、組織上の問題、事業で雇用された人々と事業の成果に関するファクト情報等、本事業を掘り下げるうえで必要欠くべからざる事実が詳細に記述された極めて重要な一次資料です。
連邦音楽プログラム/連邦芸術プログラム/連邦工芸プログラム/博物館・視覚資料プログラム/連邦劇場プログラム/連邦作家プログラム 州最終報告書集成
Final State Reports for the Federal Music Program, the Federal Art Program, the Federal Crafts Program, the Museum and Visual Aids Program, the Federal Theatre Program, and the Federal Writers' Program
本コレクションは公共事業促進局が統括した各種芸術文化支援事業、具体的には連邦音楽プログラム、連邦芸術プログラム、連邦工芸プログラム、博物館・視覚資料プログラム、連邦劇場プログラム、連邦作家プログラムに関して、各州が作成した最終報告書を収録し、芸術分野における失業救済事業の歴史的意義を改めて問い直す機会を提供するものです。失業救済事業は連邦政府の資金で行なわれましたが、事業の運営は州政府が実施しました。本コレクションは事業を運営した州政府が作成した報告書を156点含み、失業救済事業の実態を明らかにするものです。
芸術文化を対象にした事業は、かつて奴隷だった人々のオーラルヒストリー、旅行案内『アメリカン・ガイド・シリーズ(American Guide Series)』の刊行、コミュニティ芸術センターの設立、アメリカの音楽の普及など、多くの成果を生んだ事業は失業救済という当初の目的を超えて、アメリカ独自の文化を再発見し、ナショナルアイデンティティーの形成にも寄与しました。それまで国家が関わる領域とは見なされなかった芸術文化に公的資金が投ぜられ、その資金によって芸術家や作家が作品を制作したことは、アメリカ史にとどまらず、現代史において画期的なことであり、その歴史的意義をめぐって多くの議論が交わされてきました。
(マイクロ版タイトル:Archives of the Work Projects Administration and Predecessors, 1933-1943)
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